about MR2 サイドシルに発泡ウレタン充填
98年11月23日 硬質ウレタンボディ補強
自動車のサイドシルに硬質発泡ウレタンを充填して、ボディの剛性を高めようという
処理を、AW11 MR2に施してみました。
これは(株)ベルコさんが開発した自動車用の硬質発泡ウレタンで、最近雑誌、メーリング
リスト等で紹介されているものです。
注入ノウハウを持った専門ショップで作業をおまかせすることもできるのですが、
私は、自分でやってみたいということで、上記ショップである(株)オリジナルボックスさん
から作業キットを購入して作業を行いました。
注意や経験が足りないための失敗も多かったのですが、今後自分で作業されたい方のためにも
なるべく詳しく報告させていただきます。
さて、材料は19,800円(税込み)で購入しました。次のようなキットになっています。
A液、B液、作業用手袋、紙の漏斗、マスク用紙テープ、作業手順書です。手袋と漏斗は、
もうちょっと良いものを自分で用意した方がいいでしょう。
キット購入時にオリジナルボックスの国政さんから、作業上の注意点を教えていただきました。
(1)原液は200ccずつ位同量まぜる(強制ではない)。
(2)原液は冬だと温度が低いので、お湯等につけて25度〜30度にする。低いと発泡しない。高すぎてもいけない。
(3)ボディの温度も30度〜40度にしておく。ランプやドライヤを使うと良い。
(4)まぜる時間は、30秒〜35秒。だんだん白濁してくるので分かる。1分すぎたころから一気に発泡する。
(5)ボディには、20mm程度の穴をあけた方が流し込み易い。
作業は、11月23日、晴天、気温15度程度の日中に行いました。
天気がよかったので、ウレタンの缶を日光であたためつつ、車のリアを持ち上げ、さらにジャッキ
アップしました。下手にジャッキアップすると、AW11 T-barルーフの場合ボディがしなるのは
経験済みなので、板の上にタイヤで乗り上げる形で、サスペンションでボディを支えさせたかったのですが...。
それでも角度が足りず、最初の失敗の原因に。
助手側のサイドシルが見えるように、サイドステップをはずします。AW11の場合、注入しやすそうな
穴が三つあいていました。直径15mmでした。T-barルーフの場合真ん中の穴の下にさらに補強の鉄板が
入っており、多少径が小さかったのでハンドリーマーで穴を広げます。15mm程度で用意した漏斗の径が
ちょうどよかったので、これでいくことにしました。
ブレーキクリーナでサイドシル内部を洗浄します。オリジナルボックスさんでは、エアを吹いて掃除して
いましたが、私はそういう環境を用意できなかったので、ほこりと油分(あるのか?)を落とす意味と
おまじないのつもりで、たっぷりブレーキクリーナを吹きました。サイドシル下部のスポットの隙間から
汚れたクリーナが落ちてきます。
つぎに内装をすこしめくり、サイドシルにウレタンを注入してもこぼれてこないかを確認します。
AW11の場合いくつかの穴があり、シールで塞いであるのですがはがれていることもあるので一応
確認することをお勧めします。私はガムテープで塞ぎました。さらに、注入予定の穴から下を見ると
サイドステップの下側はスポット溶接の隙間から道路が見えています(^^;;;。ということでガムテープで
前から後ろまで塞ぎます。あ、ガムテープは私は手元にあった紙の物を使いましたが、やはり布がいい
ですね。はがしやすくて。
あと、気温が低くボディの温度を上げにくそうだったので、サイドスカートをもはずしました。
これで、直接サイドシルにライトやドライヤの熱を与えることができます。使用した温度計は
藤田さんが会社から借りてきた、ハイテクなもの。向けるだけで温度がわかるという。
さて、車の準備はととのいました。まず、ためしに紙コップで発泡させました。おぉぉ発泡するする。
あれ?でも固まらないぞ。????温度が低かったかな?ということで、もう一度液をランプであたためて
しっかり攪拌するときちんと発泡して固まりました。でも十分硬化するには1時間程度かかるようですね。
#夏はわかりませんが。気温15度では。
本番です。最初は車の前側です。最初の一回を注入してしまうと、ウレタンは発泡するときに熱を発する
(40度くらい?)ので次の発泡の助けになるのですが、一回目はボディの温度が低く発泡に失敗しがち
です。特にピラーの下側に入る前部と後部は重要です。ということで、十分にライトとドライヤでボディ
をあたためます。ウレタンも200ccずつ容器に取ってライトであたためます。今回はお湯を用意できません
でしたが、今後の方はバケツにお湯を用意して、ウレタンを缶ゴトあたためることを強くお勧めします。
さて、時計を見ながら2液をまぜ、藤田氏作の攪拌棒でまぜます。30秒強まぜたところで注入します。
結構粘度があって、これ以上漏斗の口がせまい(15mm)とうまく流れないかもしれませんね。
すると、サイドシル下のガムテープの隙間から流しこんだ原液がポタポタと漏れてきます。やべぇって
ことで、ガムテープで押さえました。
数分経って、同様に二回目も注入します。サイドシルの温度も上がり、うまく発泡しているようです。
これで一つ目の注入穴はウレタンでいっぱいになりました。
ここで気が付けばよかったのですが、二つ目の穴から再び原液を流し込みました。すると車の傾きが
たりなかったため?結構平均してウレタンが流れたらしく、二つ目の穴および三つめの穴がウレタンで
いっぱいになってしまいました。これでは、三つ目の穴より後ろ側にある、サイドシル後部つまり
Bピラー根元に流し込めません。
見学の皆は、涼しい顔で弁当をたべています。あちゃ〜。となった私は、
(1)このまま後部への充填はあきらめる
(2)穴を追加して強引に流し込む、
を選択せざるをえなくなってしまいました。運良くドリルがありましたので、早速、Bピラー根元に
15mm程の穴を追加しました。やっぱりここまではウレタンが入っていない(^^;;
#こんなところに穴あけて剛性大丈夫かしら...
オリジナルボックスさんでは、フロントを持ち上げてまでに注入はしていなかったと思いますが、
心配だった私は最初と逆にフロントを持ち上げてBピラー根元にウレタンを注入しました。
これで、なんとか助手席側の処理は終了しました。
こんなところで、注意点ですが、注入して様子をみている間に、原液をまぜたカップと漏斗と攪拌棒は
ウレタンで固まってしまいます。今回は作業を見ていた中村さんがセッセと掃除をしてくださいましたが、
一人で作業する場合、この道具の掃除だけでかなり手間がかかると思います。道具がウレタンで汚れて
いると、きちんと混ぜることができなくて結果、うまく発泡しなかったり漏斗がつまって注入できなかったり
する危険があります。話は戻ります。
これで、手慣れたのか?それとも、ヤケになったのかはわかりませんが、運転席側も側をどんどん作業します。
二回注入後にボディを逆に傾けてBピラーにもしっかり注入しました。
すると、まんなかの穴に少し隙間が見えます。両側から充填したので真ん中に少し隙間ができたようです。
そこで、調子に乗ったワタシは、大は小を兼ねるとばかりに、少しの隙間にたっぷりウレタンを流し込みました。
漏斗からはしっかり入ったのですが、しばらくすると、すごい勢いで発泡したウレタンがあふれてきます。
噴出といった勢いです。パニックになった私は、手やガムテープでおさえますが、とてもとめられません。
サイドシルをウレタンだらけにして、やっとウレタンの発泡は止まりました。オソルベシ。皆に笑われました。
このときにちゃんとボディをマスクしてなかったので、車を掘り出すのに時間がかかりました。スクレーバと
カッターで削りましたが、硬いですねぇ。リムーバーが欲しいところです。夜の7:00ごろにやっと作業終了。
今後の方に教訓ですが、
(1)車は可能な限り傾ける
(2)二回位注入したら、フロントを上げてリア側にもキチンと入れる(もちろん車によって違いますけど)
(3)入れすぎない!!あふれたときのためにボディは新聞とテープできちんとマスクする
(4)ウレタンとボデーの温度をきちんと高くする、そしてよく混ぜる。混ぜたりないと固まらないです。
これを守れば完璧です。私も次の車からはうまくできそうです。
さて、この作業のあとに高速で自宅に戻ったのですが、間違いなく車が硬くなったのを体感できました。
実際に体感できるかどうかは疑問だったところも多かったのですが、10年10万キロ走行のAW11 MR2 T-bar
ルーフの車では体感できます。古い車の方にはお勧めです。
具体的には、
(1)段差乗り越えでの、「ミシミシ」音がかなり減りました。
(2)高速の道路ツナギでの突き上げの音が変りました。首都高は荒れてますねぇ。
(3)高速コーナーでの車のリア周りの剛性感がまったく変りました。車がしっかりした感じです。
低速のコーナーでも踏んで曲がっていって楽しいです。前はもっと不安な挙動でした。
(4)アライメントの狂いにシビアになったようです。
(4)に関してですが、注入のときに車を余分に傾けるために斜めに持ち上げたこともあって、
よじれたまま固まったのかな?と心配する所もあるのですが、多分そうではなくて、ボデーに逃げていて
わからなかった挙動が出るようになったのだとおもいます。
#轍でのハンドル取られが多くなりました。
結果満足です。特にT-barやオープンカーの人はやっぱり車がよじれながら曲がったり走ったりしている
ようなので、体感できると思います。でも、充填したところの強度は上がったでしょうけど、ボディすべてに
注入したわけではないので、入力される力が他の所に掛かるようになったことも十分に考えられます。
特にピラー付け根あたりには負荷が増えたかなとは思います。そういう解析ツールを使ったことは有りませんが
素人考えでも想像できますね。まぁ気にする程じゃないとかんがえてます、私は。
最後に自分でやるべきか、お店にまかせるかですが、今回は主に二人で作業して5時間程かかりました。
なんでも自分でやりたい人は自分できますといえますが、器用でない方、美しい仕上がりを期待したい方、
失敗は許されない方は、作業をおまかせした方がよいかもしれません。
しかし、古い車にお乗りで、普段から自分でメンテされている方は、自分で作業できることと
思います。
shmz@cds.ne.jp